各地、集中豪雨で大変な中、
頑張っておられる方々の苦労を思うと私も私の立場で、
精一杯、利他行に努めなければと思わずにはおれません。
甲子園の熱い戦いも大詰めを迎えていますが、、
今回は、アメリカの野球史上で最も有名なベーブ・ルースについて。
彼は、1920年代に、ニューヨーク・ヤンキースで大活躍、
引退するまでに、通算714本のホームランを打っています。
この世界記録は、その後39年間、破られることはありませんでした。
ルースには、球場の外でも、子供たちに夢を与え、
元気づけたエピソードが数多く残っています。
中でも有名なのは「約束のホームラン」。
1926年、ヤンキースは、リーグ優勝を果たし、
最終決戦のワールドシリーズに臨むことになりました。
試合に備えていたルースに、見ず知らずの男性から一本の電話が。
原因不明の難病で苦しむ11歳の少年の父親からでした。
「息子のジョニーは、背中の病気で寝たきりになっています。
医者から、もう手の尽くしようがないと言われています。
病で苦しむ中、唯一の明かりは、ラジオであなたの活躍を聴くことです。
あなたの新聞記事は、すべて切り取ってスクラップしている大ファンなのです。
そんな息子に、サインボールを送ってやってもらえませんか」
とても無理と思いつつ、わが子を元気づけたい一心でかけた電話に、ルースは快く承諾。
大事な試合の前日、ニューヨークから子供が入院しているニュージャージー州の病院へ、片道3時間をかけて駆けつけたのです。
突然ルースが目の前に現れ、ジョニーはびっくり!
写真でしか見たことのないスーパースターが、今、目の前に現れ、
しかも、バット、グラブ、ボールのプレゼントまでしてくれた。
さらに、
「ワールドシリーズで、僕のためにホームランを打ってください」
と小さな声でお願いしたジョニーに、ルースは明るい笑顔で言いました。
「君のために特大のホームランを打ってやる。
そのかわり、君も元気を出して、病気なんかに負けるんじゃないぞ。
これは約束だ!」
翌日、ルースの打った打球は、みごとライトスタンドへ!
ラジオに耳を傾けていたジョニーの感動は、躍り上がらんばかり。
ルースは、このワールドシリーズで4本ものホームランを打ちました。
「ルースは、僕との約束を守ってくれたんだ。
今度は、僕が病気に勝たなくっちゃ」
これまで絶望感しかなかったジョニーの心に、希望がわいてきました。
なんと、次第に立って歩けるようになり、やがて学校へも通い、完全に病を克服したのです。
ベーブ・ルースが晩年に病床に伏すと、今度はジョニーが、
かつての恩人を見舞ったといわれています。
優しい言葉、励ましの言葉とそれに伴う実行には大きな力があります。
相手に生きる勇気を与えるだけでなく、
時には、命を救うほどの力を発揮するのです。
お釈迦様は、相手を思いやる行為(布施)の大切さを、
心と口、体の三方面から、具体的に、事ある毎に説かれていますが、
私も精一杯、実行に心がけてゆたいと思います。